2022年10月8日
アントニオ猪木は静かにこう切り出しました。
不幸というものはね….
アントニオ猪木さんが10月1日にお亡くなりになりました。
ご存じ1・2・3・ダァーッのあの人です。
この人個人的にはあまり興味がなかったんですけど、実に派手な人で、ある時期の年末なんてこの人の名前の冠ついた格闘技番組が数年間埋め尽くされていた記憶があります。
レスラーとしてはもちろんプロモーターとしても優秀な人でした。
でも実は若手時代は師匠の力道山氏にいじめそのものの扱いを受け、同氏の死後、そのプロレス団体を乗っ取ろうとしていると疑いをかけられたんです。
ジャイアント馬場氏率いる全日本プロレスと袂わかって、新日本プロレスを立ち上げたはいいものの裏切り者のレッテルを貼られ、後ろから石を投げられるような船出だったそうです。
非常な苦労人なんですよこの人。
その苦労人の猪木が言ったのです。不幸というもは…と。
「不幸というものはたいていダマになってやってくる。すると慌ててあれもこれもと一気に対処しようとする。だからみんな負けちゃうんです。こういう時は、端のほうから一つ一つ絡んだ糸をほどいてやるように順番に解いていけば必ず解決する。必ずです。」
……これは、すごい。
すごいですが、これを聞いた時に私は少し失笑するような、うんざりするような気分になったことを覚えています。
だってアントニオ猪木みたいな最強に近い肉体を持っていて、しかもこんな説教まで上手いとなると始末に負えない。
例えばこんな人が親戚のおじさんかなんかであったとしたら、きっと私はその家を敬遠するに違いない…と
不謹慎ですかね?